空を見上げるのを忘れただけで、星は確かに輝いていたのに
飼い慣らした犬に首を食い千切られて死んだあの子
いろんなものが見たくなったら、僕の目の中を覗いてよ
いつの間にか降り始めた雨に気付けなかった僕は、雨戸を閉めて遮断することが出来なかったのです
まっすぐに伸びたその意志で、僕の心臓を貫いてよ
人の歩幅はたかが知れていて
それでも雲の流れは速くて
止まない雨を嘆くなら
君のことを考えて、少しだけ泣きました。
君が眠る家に帰ろう、君が眠る丘に帰ろう

指切りと同じくらいの信頼性
静かな未来を生きるために
七回目の夏が、僕らに追いついた
触れ合うだけで愛し合うことになるなら、指先だけ触れ合って君と生きて行きたい
君は君以上にはなれないのに
乾きかけのアスファルトに猫の足跡
スポンジ野郎の勘違い
追い詰めるなら最後まで
その結び目をほどけば春

崖っぷちで声を出せる奴なんかいねえよ
ぶつり、と音を立てて
朝が夜を食い尽くすのを黙って見ているだけ
何ヶ月か前に蝉が開けた地面の穴
あの猫は自分の役目をわかっていたのだろうか
また来る日も今日と同じなら、もう明日など来なくてもいいのに
恋は落ちるものではなく、落ちてくるものである
異常気象、世界は停止して、君と僕の歩く道を作ったんだ
譜面の上を滑る指が、心臓を貫いた
二人あわせて不協和音を形成する